犬の短頭種気道症候群:原因、症状や検査・治療法について解説 | 動物医療センターPeco
2023.10.25 10:48

この記事では獣医師監修の元、犬の短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)の原因や症状そして検査・治療法について解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。
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記事の監修者
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細谷芽里
動物医療センターPeco 獣医師
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犬の短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)とは?
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短頭種は鼻ぺちゃがチャームポイントですが、先天的に特徴的な構造から鼻や喉、気管などの気道(空気の通り道)が狭い問題、さらにそのために二次的に起こる問題が見られます。これらの問題を総称して「短頭種気道症候群」といいます。
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短頭種気道症候群で見られる主な異常

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外鼻孔狭窄
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先天的に鼻孔(鼻の穴)が狭くなっている状態のことをいいます。
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軟口蓋過長
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短頭種は先天的に軟口蓋(上あごの後方部にのびる柔らかい部分)が厚く長いことが多いです。軟口蓋が長すぎると喉頭蓋(気管の入り口にあるふた)を覆ってしまいいびきや呼吸障害の原因となります。
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気管低形成
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先天的に気管が細い場合があります。
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喉頭小嚢(こうとうしょうのう)外反
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声帯の裏側にある喉頭小嚢という粘膜組織が、声帯の表側へ出てきてしまった状態です。それにより気道が狭くなってしまいます。外鼻孔狭窄や軟口蓋過長が慢性的に継続した結果として二次的に起こります。
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その他の呼吸器の問題
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慢性化すると二次的な気管虚脱(気管がつぶれること)や、喉頭虚脱、咽頭虚脱へと進行します。また重症化すると陰圧性肺水腫を起こし、命に関わる可能性もあるため呼吸状態に注意が必要です。
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消化器症状
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短頭種気道症候群の約半数に、食道裂孔ヘルニア(胃が横隔膜の孔から胸腔内に入り込む)や胃炎による嘔吐・吐出などの症状が見られるといわれます。消化器症状に伴う誤嚥(ごえん)性肺炎も大きな問題となります。
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犬の短頭種気道症候群の原因は?
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よく見られる原因
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短頭種では先天的な解剖学的異常(外鼻孔狭窄、鼻腔の構造異常、軟口蓋過長、気管低形成など)が1つもしくは複数あることにより、気道の空気抵抗が大きくなっていることが原因となります。
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よく見られる犬種
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チワワ、パグ、ブルドッグ(フレンチブルドッグ、イングリッシュブルドッグ、ブルテリア)、ボストン・テリア、ペキニーズ、シーズー、キャバリアなどのいわゆる短頭種です。
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短頭種気道症候群の症状は?
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異常な呼吸音
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興奮時や運動時に上部気道を空気が通りにくいことにより、「グーグー」、「ブーブー」といった異常呼吸音がします。
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いびき
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睡眠中のせまい鼻や喉などの狭い気道を無理やり息を通すために、鼻やのどが振動していびきをかきます。
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睡眠時無呼吸症候群
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大きないびきとともに、睡眠中に何度も呼吸が止まることがあります。
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安静時の息の吸いにくさ
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症状が進行すると、安静時にも息を吸う時に吸いにくい状況となります。
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運動やストレスに対する不耐性
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運動やストレスにより、効率的に息を吸うことがさらに難しくなり呼吸が苦しくなってしまいます。
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消化器症状
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嚥下障害(口の中のものをうまく飲み込めない),よだれがたくさん出る,胃炎などによる嘔吐・吐出などの症状が見られる場合があります。
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*短頭種気道症候群の進行に要注意!
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これらの症状は慢性化し徐々に進行していきます。症状が進行すると運動,興奮,湿度上昇,気温上昇などに伴い呼吸困難、チアノーゼ、虚脱、熱中症など命に関わる重篤な状態に陥る恐れがあります。
※チアノーゼ…血液中の酸素不足が原因で、舌や口腔粘膜が青紫になる。
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短頭種気道症候群の検査・診断方法は?(動物医療センターPecoの場合)
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当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。
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一般的な検査は、問診を含めて1時間近くかかりますが、原因や病状によってさらに時間がかかることや、診断のために何度か通院してもらう必要がある場合もあります。時間に余裕をもってご来院ください。
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視診
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短頭種気道症候群の中で外鼻孔狭窄は外観から診断できます。
※軟口蓋や喉頭の実際の確認は鎮静下をかけた状態での確認となります。
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レントゲン検査
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上部気道では、気管低形成、軟口蓋過長、舌根部の肥厚などを確認します。また気管、肺、食道などに異常がないかを確認します。
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内視鏡検査
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必要と判断した症例では、手術と同時に咽頭や喉頭部、また上部消化管の内視鏡検査を行います。
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短頭種気道症候群の治療方法
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短頭種気道症候群は、外科的な治療が必要となります。
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外科治療
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症状がだんだん進行する様子があれば、早期に積極的な外科治療が必要です。症状の軽いうちに予防的な手術が推奨されます。
手術内容は、症状に応じて必要な手術(外鼻孔拡張・軟口蓋切除・喉頭小嚢切除など)を組み合わせて行います。
※症状が重度の場合は、呼吸器専門医をご紹介させて頂きます。
※消化器症状は気道閉塞解除の治療を行うことにより多くの症例で改善する可能性が報告されています。
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当院が短頭種気道症候群の診療で心がけていること
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1. 頭種気道症候群のリスクの知識の普及
短頭種は人気で飼育されている方も増えています。
飼い主様に短頭種気道症候群とそのリスクを知っていただき、おうちでの症状をよく観察し、何かあれば早めにご相談頂けたらと思います。
適正体重の維持
太ると首周りにも脂肪がつき、狭い気道がますます圧迫されてしまいます。まず第一に太らせないこと、もし肥満傾向であればダイエットをし適正体重の維持しましょう。
温度・湿度の管理
高温多湿では症状が急激に悪化するため、熱中症予防のためにも夏期の外出制限、湿度気温の調整を心がけましょう。
ハーネスの使用
喉や気道に負担をかけないよう、首輪ではなくハーネスの使用をお勧めします。
興奮を避ける
過度に興奮すると呼吸困難に陥る場合もあるため、興奮させすぎないようにしましょう。
2. 早期治療
短頭種気道症候群は「症状を起こさない」「悪化させない」ことが大切です。生まれながらの特徴的な形態が原因であるため、2歳齢頃までに手術をすることが推奨されます。
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初診時の一般的な検査費用
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当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的な短頭種気道症候群の検査料金をご紹介します。
検査内容 | 料金の目安 |
|---|---|
カルテ新規開設料 | 1,100円 |
初診料 | 4,950円 |
X線検査 | 6,000円〜 |
※治療費は別になります。
※2022年8月現在の価格です
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特定商取引に基づく表記


